Flare Engine 初心者マニュアル

第1章
Flare Engineとは

Unity向け2Dプラットフォーマー制作ツールの全体像を把握し、
自分のプロジェクトで何ができるかを理解しましょう。

Section 1.1

Flare Engineの概要と特徴

Flare Engine - 2D Toolsは、Two Bit Machinesが開発したUnity Asset Storeのアセットです。2Dプラットフォーマーゲームをコーディング不要でスピーディに制作するためのオールインワンツールとして設計されています。

レイキャストベースの独自キャラクター制御システムを中核に、スプライト管理、AI、対話、インベントリなど、ゲームに必要な要素がひとつのパッケージにまとまっています。

FLARE

なぜFlare Engineを使うのか?

Unityで2Dプラットフォーマーをゼロから作ると、キャラクターの移動制御、衝突判定、アニメーション管理、AI、カメラ制御など、膨大なコードを書く必要があります。Flare EngineはこれらをすべてInspector上の設定で完結させてくれるため、ゲームデザインやレベルデザインに集中できます。

初心者にうれしいポイント:Flare Engineは「コードを書かないでゲームを作る」ことを設計思想の中心に据えています。C#が苦手でも、Inspectorのチェックボックスとスライダーだけでキャラクターを動かせます。

主要な機能一覧

Player Controller

走る、跳ぶ、壁蹴り、ダッシュ、滑空など30以上のアビリティをノーコードで設定

Sprite Engine

Inspector上でアニメーション状態遷移をビジュアルに構築。コードゼロで完結

AI System

Behavior Tree + FSMの2方式。50以上のノードでリアルタイムデバッグ対応

Interactables

橋、ロープ、水、はしご、ジップライン、テレポートなどのステージギミック

ゲームシステム

インベントリ、対話、クエスト、装備、オーディオ、Tweenなど実装済み

Safire 2D Camera

同梱の高機能2Dカメラ。ピクセルパーフェクト、カメラシェイク対応 同梱

Section 1.2

できること・できないこと

Flare Engineは非常にパワフルですが、あらゆるゲームに適しているわけではありません。導入前に「向いているゲーム」と「向いていないゲーム」を把握しておきましょう。

できること(得意なこと)できないこと(苦手なこと)
横スクロールアクション / プラットフォーマー 3Dゲーム全般
2Dランナー / パルクールゲーム トップダウン視点のゲーム(RPG等)
メトロイドヴァニア マルチプレイヤー / ネットワーク機能
ノーコードでのプロトタイプ制作 独自の物理演算が必要なゲーム
ピクセルアートのゲーム UIを大量に使うシミュレーション
モバイル向け軽量ゲーム 大規模オープンワールド
アイスクライム_リバイバルとの相性:2Dランナー/パルクールゲームはFlare Engineの得意分野です。とくにInfinite Walk(自動走行)機能があるため、ランナーゲームの核となる仕組みをすぐに実現できます。壁蹴り、ダッシュ、ジャンプといったパルクール要素もすべてInspectorから設定可能です。
Section 1.3

公式ドキュメント・サポート先の案内

Flare Engineの情報源は限られていますが、質の高いリソースが揃っています。困ったときはまずこれらを確認しましょう。

学習のコツ:公式ドキュメントだけでなく、アセットに同梱されているデモシーンTidbitシーンが最高の教材です。Hierarchyウィンドウでゲームオブジェクトの構成を確認し、InspectorでどのようにUnity Eventが接続されているかを観察しましょう。
後継アセットについて:開発者はFlareの後継となるノードベースの新アセットを開発中と発表しています。現行Flareとの互換性はないとのことです。ただし現時点ではFlareが安定版として推奨されており、シンプルなプロジェクトには十分に対応できます。
Section 1.4

フォルダ構成とファイルの役割

Flare Engineをインポートすると、プロジェクト内に以下のような構成でファイルが配置されます。最初にどこに何があるかを把握しておくと、あとの作業がスムーズです。

Assets/
  TwoBitMachines/
    FlareEngine/ ← メイン本体
      Demo/ ← デモシーン(最初にここを触ろう!)
      Tidbits/ ← 個別機能のサンプルシーン
      Scripts/ ← C#スクリプト群
      Prefabs/ ← 再利用可能なプレハブ
      AssetsFolder/
        Events/ ← WorldEventSOなどのScriptableObject
        Sprites/ ← サンプルスプライト
    Safire2DCamera/ ← 同梱2Dカメラシステム
おすすめの第一歩:Demo/ フォルダ内のシーンを開いてPlayボタンを押してみましょう。キャラクターを操作しながら「このアクションはどう設定されているのか?」をInspectorで追いかけると、仕組みが自然に身につきます。
Section 1.5

Flare Engineの全体像

Flare Engineの各モジュールがどのように連携しているかを図で確認しましょう。すべての中心にあるのがWorld Managerです。

CORE World Manager PLAYER Player Controller ANIMATION Sprite Engine ENEMY AI / Pathfinding STAGE Interactables CAMERA Safire 2D Camera SYSTEMS Dialogue / Inventory / Audio DATA Save / World Variables EFFECTS World Effects / TMP / Tween
Flare Engineのモジュール構成図 ― すべてがWorld Managerを通じて連携します

この章のまとめ

第1章で理解しておくべきこと
  • Flare Engineは2Dプラットフォーマー特化のノーコードツール
  • レイキャストベースで、Unityの物理エンジンを直接使わない独自制御
  • Player Controller、Sprite Engine、AI、Interactablesが主要な4本柱
  • Safire 2D Cameraが同梱されており、カメラ制御もカバー
  • 学習はデモシーンTidbitシーンを触ることから始める
  • 2Dランナー/パルクールゲームとの相性が非常に良い